マーケティング

セグメンテーションの意味や地理的・人口・心理・行動の4つの変数について

 

フィリップ・コトラーの提唱した「STP理論(マーケティング)」において、

 

セグメンテーション(Segmentation)

ターゲティング(Targeting)

ポジショニング(Positioning)

 

という3つの役割があるということ、その概要について別講義(Webコンテンツや企業に役立つSTPマーケティングの概要 )にてお伝えしました。

 

今回はセグメンテーション(Segmentation)について詳しくお伝えしたいと思います。

 

 

【動画】セグメンテーションについて

 

 

セグメンテーションとは?

まずはSTP理論の「S」部分に当たるセグメンテーション(Segmentation)についてですが、英単語としては「分割」「区分」という意味があります。

 

マーケティング的にいうと「市場の中からそれぞれの属性やニーズを見出して、それぞれ意味ある集まりごとに分割する」という意味となります。

 

ファッション業界でいうと、まずは大きくメンズ・レディース系に切り分けられます。

 

さらに切り分けると、「キレカジ系」「カジュアル系」「お兄・お姉系」等といった種類や集団に分けられます。

 

すると、これだけでも6つの市場に切り分けられます。

カジュアル系の服に焦点を当てただけでも、メンズのカジュアル系、レディースのカジュアル系という2つの市場を見ていく必要があります。

 

例として少しだけ上げましたが、さらに細かく種類を見ていくことでさらに多くの市場が分けられます。

 

なぜセグメントを分けることが必要?

このセグメントがなぜ必要かというと、企業が商品を開発するといったような時に、どういった市場に対してどうアプローチをしていけば良いのかが明確になります。

 

仮に、服を製造しているような規模の小さい地域の企業の場合、全国展開や運送は難しいとします。

 

もしこの企業の手の出せる範囲の地域が高齢ばかりの場合は、高齢者をターゲットとした市場の服で勝負していくことが効果的です。

 

逆に、高齢者の服を製造するのが得意な場合は、その対象の高齢者が少し地域的に運送が遠くなったとしても、そちらにターゲットを絞った方が効果的だったりします。

 

これを何も考えずに、高齢の方の服を作るのが得意にもかかわらず、無知の状態から若者向けのカジュアル系の服を作って、運送や競合など手の出せる範囲を超える場所をターゲットとした場合。

 

商品が売れないどころか、運送費や販売促進の広告費用など効果が乏しく無駄に使ってしまう結果となってしまいます。

 

大切なのは自分の立ち位置をしっかり考えて、効果の高い顧客へアプローチすることです。

 

他にも細かく分けるだけでなく、セグメントを大きく分けることで成功した例があります。

 

それがユニクロで、セグメントを細かく分けるのではなく、ベーシックカジュアルという大きくセグメントを切り分けた形で成功しました。

 

セグメンテーションの4つの変数

変数と何かとわかりづらいところがありますが、結局のところはどうやってセグメンテーションを分けていくかのアプローチ方法です。

 

この方法については、次の4つの方法があります。

 

ジオグラフィック

これは、地理気候と言ったそれぞれの土地や場所での条件で市場を分割していく方法です。

 

・都市圏か地方なのか?

・温暖・寒冷な場所か?

・文化や風習は何か?

・その場所の人はどういった行動範囲を持っているか?

 

などといった、その土地や風土に関連した市場をもとに分けていく方法です。

 

 

デモグラフィック

デモグラフィックとは、人口動態変数によるアプローチ方法です。

 

・年齢

・性別

・家族構成

・所得

・職業

・宗教

・学歴

 

などの統計データを元にセグメントを分けていきます。

 

サイコグラフィック

サイコグラフィックとは、お客様の心理的要因を元に切り分けていく方法です。

 

・性格

・価値観

・趣味

・思考

 

例えば、「かっこいい」「かわいい」「スタイリッシュ」といった感情や思考を元に市場を分けていきます。

 

ビヘイビアル

最後は「行動変数」というお客様の行動パターンから市場を切り分けていく方法です

 

・今まで何回商品を買ったか?

・購入した方法

・購入した手段(対面やインターネット等)

・商品に対する知識

・購買意欲

 

等といった製品に対する購入者の知識や態度、行動で分ける方法です。

 

例えば具体的にいうと、「悩んでいる」「検討している」「購入した」とさらに段階的にも分けることができます。

 

最近の傾向は?

企業や個人事業は、それぞれ形態や事業の内容が異なっているためセグメンテーションの4つの変数にうちどれを選べば最も正しいのか?ということは選ぶことは出来ません。

 

しかし、最近は昔と違って物流も良くなり、インターネットの発達で全国的にどんな商品があるか知ることが出来ます。

 

消費者としても選択の幅が増えてきました。

 

なので現在は、商品の目に見える価値よりも精神的な満足・充足を求める、サイコグラフィックの傾向が強くなっている傾向にあります。

 

このセグメンテーションをしっかり利用して考えていくことで、自分や企業の参入すべき市場を推し量ることができるので、このセグメントの考えについてはぜひとも理解して頂けたらと思います。

 

セグメントが終わると、次はターゲティングをして市場を攻略していく必要があります。

 

これについてはまた別講義にてお伝えします。

 

ターゲティングの意味と市場参入前に確認すべき6Rについて

 

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