セルフイメージとは、自分自身の潜在意識が「自分はこのような人間だと思っているというイメージ像・自己像」のことです。
このイメージは、「自分の営業能力は会社の中で右に出るものはいない」「自分は人と話すのが不得意だ」「自分は出来る人間だ」「自分は何もできないダメな人間だ」などなど・・・
人によって多種多様な色んなイメージがあります。
ですが、大切なことは自分にポジティブなイメージを抱いているか?、ネガティブなイメージを持っているか?ということです。
「自分は人の役に立つ・会社で役に立てる人間だ」というのはポジティブなイメージで、「会社で失敗ばかりで何もできないダメな人間だ」というのはマイナスイメージです。
このセルフイメージが大いに効果があるのと同時にとても恐ろしいと言われる所以は、自分がそのイメージしたそのまんまの人物になっていくということです。
自分が「営業が出来ないダメな人間だ」と思い続ける人間は営業が出来ないようになりますし、逆に自分は「営業が出来る」と思い続ける人間は本当に出来ないようになっていきます。
セルフイメージの「思い」が実際の自分の身体や行動へ「物質化」していきます。
このように言うと「あまりに抽象的すぎる」「精神論だ」と言われて一蹴されそうですが、順を追て説明すると「確かにそうかもしれない」といえます。
誰しも得意不得意がありますし、80歳になってから「自分はプロ野球選手になれる人間」と強くイメージしても物理的に達成はできないかもしれません。
しかし、実現可能なレベルなものであればセルフイメージで大きく変えることが出来ます。
能力が同じ2人の場合
今回セルフイメージで取り上げたいのは、ポジティブなイメージを持っている人と、ネガティブなイメージを持っている人についてです。
例えば、どちらとも容姿やコミュニケーション能力等は同じで、頑張れば営業を行える素養は十分に持っている、始めて会社で営業を行う2人の人間がいるとします。
1人は「営業は初めてだけど頑張って行こう。自分ならできるはずだ」とポジティブなイメージを持っているAさん。
もう1人は「営業なんて初めてだし、自分にはできっこない」と最初からネガティブイメージを持っているBさん。
2人とも営業に関して何も知らない状態で、上司に連れられて営業をやらされます。
当然2人とも1件も取れない上に、相手と上手く話すことも出来ずに大失敗です。
Bさんはこの経験から「やっぱり自分には営業はできない。向いていない。」とそのままネガティブイメージを持ち続けます。
対してポジティブイメージを持つAさんは「全然上手く話せなかった。それじゃあ基本から学んで練習していこう」と次への行動を考えます。
2回目の時も両方とも上手く行かず失敗します。
Bさんはそのままで「前よりは話せたけど、やっぱり自分には営業なんてできるわけがない。」
Aさんは「今日も上手く行かなかったけど、前より長く話せたな。次は成約に繋がるような言い回しに挑戦してみよう。」と次の行動へとさらに移していきます。
ここで特筆すべきところは、2人とも同じように前より話せて、同じように失敗しました。
けれでも、Bさんは自分を過小評価して、もうあきらめモードに入ってしまっています。
そして3回目の営業の時もやっぱり2人とも失敗でした。
Aさんは変わらず、上手く行ったこと、失敗したことを反省して次に生かそうと行動していきます。
しかしBさんは「今回も全然ダメだった。自分は本当にダメな人間だ」と常に考えるようになり、営業は無理だと早々に諦めて、何の行動もしなくなっていきました。
そして半年後、Aさんは反省と行動を続けて行った結果、何件か営業も獲得して成果を上げて自信んも付けていきました。まだ期間も短くバリバリでは無かったとしても、普通に営業のできる人間となっていきました。
対してBさんは営業が1件も取れないどころか、自分は営業だけでなくすべてにおいてダメな人間だと思うようになり、今までは普通に出来ていた何でもなかった仕事すら出来なくなっていきました。
この2人の大きな違いは何だったのかというと、行動するか行動しないかのたった2つの選択でしかありません。
Aはたとえ失敗しても、「自分はきっと出来るはずだ」と反省や練習・勉強という「行動」を続けてきました。
対してBさんは「自分にはできない」と早々に決めつけて営業に対して何の「行動(努力)」を行いませんでした。
能力値が同じ2人ならば、どの行動の努力分差が付いて然りです。
さらに悪いことにBさんは「営業が出来ない。自分はダメな人間だ」とまで思い続けた結果、本当に何もできない人間へとなっていきました。
セルフイメージ固めでやっていいこと・悪いこと
失敗してしまったことは、頭をぐるぐる回ってしまいます。
人間はもともと、そういった失敗体験やマイナスなことに関しては強く印象付けられるように出来ています。
もともとポジティブオンリーな人は稀な存在です。
なので「自分はなんで失敗してしまったのだろう・・・どうしよう」と思ってしまうことは大半の人間にとっての一般的な常時スキルと思っておいて良いでしょう。
だからこそ、プラスのセルイメージを持って行くことが大切です。
そして、そのプラスとマイナスのセルフイメージを固めていく上で大切な時間があります。
それが、眠る直前です。
他記事の「寝る前にやってはいけないこと・やるべきこと」で触れたのですが、寝る前は記憶が強く定着します。
そのため、そこでマイナスのイメージ、例えば仕事で失敗して「自分は何をやってもダメな人間だ」と強く思ってしまうといった事です。
この時こそ強く自分に印象付けられて、これを継続していくうちに自分のセルフイメージが固まってしまいます。
自分もパワハラ上司に人格否定されまくった時は、ずっと「自分は何もできないダメな奴」と寝る前だけでなく常に半洗脳的に思っていました。
そのような日々が続いてしばらくすると、今まで何事もなかった、パソコンから印刷を送信作業でさえどうしたら良いかわからなくなるくらいにできなくなってしまいました。
ウソのようですが、本当の話です。
今までの状態であれば「あれ?どうやって印刷の操作をしたっけ?」と自分で再確認したり、人に尋ねたりも出来たのですが、「こんなことも出来ないなんて、本当に自分はダメな存在だ。もうここにも、どこにもいない方がいい人間なんだ」とまで思ってしまうまでになってしまいました。
パワハラ上司から異動となって少しずつ回復はしていきましたが、今考えるだけでも恐ろしいくらいネガティブになっていました。
それくらいの恐ろしい力があります。
逆に、プラスのイメージを強く抱いてから寝ると、不思議とそのような方向へ向かっていきます。
まとめ
ネガティブなセルフイメージを持つと、実際にそのように自分が書き換えられていきます。
それもそのはず、諦めてるようになって行動しなくなるからです。
行動しなくなるから、さらに出来ないままとなり、さらに挑戦することすら「また失敗してしまう」と恐れて動かない結果となってしまいます。
どんどん悪い悪循環に陥ってしまうのが、このマイナスイメージの恐ろしいところです。
対してポジティブのイメージを持つと、行動や反省のPDCAを回していけます。
たとえ能力や環境の問題で、セルフイメージで思ったほどスゴイ人になれなかったとしも、ネガティブイメージから来る委縮によって「行動できなくなる」という悪循環の方向へ進まないで済みます。
性格にはもちろん個性や個人差があり、ちょっとの心配でもはなり落ち込んでしまう人もいるかもしれません。
実際に自分もそうです。
ですが、それだからこそ自分の力でセルフイメージを変えていく努力ができますので、ネガティブなことを考えるクセのある人は、ウソでもポジティブイメージを持つようにしてい頂けたら幸いです。