消防の地方公務員をとして現場活動4年、事務3年目のトータル7年目で消防を辞めたharakohです。
公務員の仕事に限らないかもしれないところですが、現場にしても事務にしても集中できる環境ではなかったです。
特に事務をやっている時は集中力を途切れさせる機会が多くて、「公務員って仕事の効率悪いなぁ」と思うようになっていました。
消防が中心となりますが、公務員についてどんなところが効率悪かった?どうなるべきかについて触れて行きたいと思います。
災害現場の隊だった時は常に恐れている
災害・救急出動の現場活動の隊に配属している時は、その名の通り現場活動を行うことを主な任務としています。
しかしただそれだけでなく、現場への出動が無かったとしても日々の事務作業や活動はしないといけません。
配属した署によって災害現場や事務の量って結構変わったりしますが、自分は都市部に配属していたので災害出動や立入検査などの事務はかなり多い場所でした。
普段の仕事を集中していたとしても、災害出動の指令がスピーカーから鳴れば即座に動かなくてはいけません。
もちろん現場が最優先なのでその仕事は放りますが、集中していた糸は切れ、さらに別ベクトルの集中の糸を張り詰めるようになります。
出動の時はまだ良いのですが、出動に限らず一世放送や、火災が起きている電話が通信指令入っている時に同時進行で「○○方面火災報受信中」と放送が入ったりします。
それ聴くだけで集中の糸は切れるどころか、通常の勤務時も「いつ災害が来るだろうか」とソワソワしながら従事することになります。
これ結構精神に負担がかかりますし、集中する最中もそのことが頭のどこかでチラついています。
消防という特殊な職業であることも大きいですが、警察や自衛隊、海上自衛隊含め特殊な職種では割とあることかもしれません。
事務は安心だと思っていた
という経験を経て、5年目から予防課という事務に配属となりました。
やっぱり出動が無いということだけで、精神的な安心度は天と地ほどありました。
ということで仕事に集中しようと思っていましたが、これもそうはいきませんでした。
「めっちゃ集中して頑張ろう!」と作業を始めても、開始数分で電話が鳴ります。
下っ端の自分が取ることになるので、事務の集中をしようと思ってもその都度集中力が途切れます。
それどころか、ご相談や事務的な手続きとして市民の方も頻繁に来られるのでそこでも中断。
『集中力が切れたら回復に20分要する』と科学的に言われているので、もはや集中状態に戻る20分を獲得することすら出来ません。
その対応に追われ、自分のタスクはどんどん押しては増えていき、ようやく通常の電話や来客が終了する就業時間(17:15)後にようやく落ち着いて自分の作業に移ることが出来ます。
残業タイムへ突入です。
でもこの頃には日中で脳みそのリソースとかあらかた使い切っているので頭が働かず、集中時には15分で出来るような内容に倍以上かかったりします。
残業時間に残っていても、どこかで火災を伴う災害があると現地支援として行かないといけなくなるので、そんなことも重なったら地獄です。
そして次の日に、また次の日へと仕事が推して溜まって行って、休日出勤や遅くまでの残業へ繋がっていきます。
個人の能力や仕事効率が悪いせいだよと言われても否定はできませんが、組織の体制や内容の環境要因も大きいのも事実じゃないかと思います。
朝早く来てやってみた結果
頭がしっかり働く朝にしっかりやってしまおうと始業1時間以上前に職場に来て仕事もやったりしてみました。
確かに頭も働くので終業後に行うより効率と効果が高いです。
しっかり考えれる。
そんな中たまに朝早くに災害が起こり、例によってその場にいてしまったがためにに対応しなければいけないこともありました。
他にも早く来た上司に仕事をふられたり、現場活動している隊とフロアも繋がっているので丸1日勤務の隊員の諸先輩から質問を受けたりします。
せっかく朝早く、無償でやってるのになんでこんなこと・・・
もう安心して集中できる環境なんてどこにも無いと絶望。
それだけでなく夜遅くまで作業して、朝早く仕事場に来て作業し続けるのは正直厳しくなってきます。
そしてもちろん機密というか個人情報も扱っているので家に持って帰るなんて絶対にできないですしね。
災害対応という組織、現場活動の隊との対応など、この特殊な環境は朝から晩までどうしても集中して仕事を行うことができないということが身に沁みました。
どんな環境になれば良い?
年下や若手とはいえ、同じ勤務者として事務作業に集中できる環境と場所を提供するのが、これを解決する手段でないかと思います。
勤務している時はいつも思っていました。
30分~60分くらいで、「ただいま集中作業中」という立て札を机に置いたり、ホワイトボードに席を外す記入して静かな個室や部屋にこもれるルールがほしいと思っていました。
折り返し出来るような電話であればメモで伝えるとして、どうしても外せない時だけ中断して伝える。
そんなルール付けがあれば結構違っていたと感じます。
制限時間付きなので、少しでも早く帰れるように本気で集中して頑張れます。
小学校の「終わった人から帰っていいよ」と言われた時の集中力は計り知れないですしね。
その他としては、電話対応や簡単な応対作業が出来る人を雇って全体の効率化を図るのが良いと思うのですが、
結局これらは声を上げても採用されるかわからないですし、組織の上も人員を減らすことに注力はしていても、増やすということはしないので、難しいことだということはわかっていました。
そんな提案この組織では多分通らない。市民の皆さんの目がある以上おそらく無理。
そういうこともあって消防公務員を辞める数多ある理由に一つにはなりました。
今だからこそ、仕事の効率化のために自分自身で自由に行動に繋げることができますが、おそらく公務員のような組織だとかなり難しいですね。
ベンチャー企業や柔軟性のある会社はその点意識の違うので、『ヘッドホンしている人は集中しているので緊急でない限り話しかけない』というルールも作って実行しているところもあります。
こういう企業であれば、社内会議とかで柔軟にすぐ決まるか、課内のローカルルールくらいの感覚でその時に作ってしまえそうなところですが、
市民の皆様の目が合って、良い言い方で厳格、悪く言うと頭が固くて柔軟性が無い公務員組織では実現への難易度はかなり高いものになるかと思います。
まとめ
公務員の仕事は、
・電話や市民対応が多い。
・現場でも心が休まらない。
・組織が柔軟性が無いので効率化が図れない。
ということから、仕事効率も悪く仕事が溜まりやすい環境だと思います。
そしてこの環境を変えようにも、組織の機能上どうしても仕方のないところもありますが連絡や決定事項にも時間がかかるので、なかなか変わりません。
自分の力でどうにかなれば良いところもありますが、自分ではコントロールは出来ない環境です。
厳しいところですが、そんな状況の中で頑張って改革するか、自分の環境を変えてくしかありませんが、今現在の状況がどうかの参考になってもらえたら幸いです。